とある夕方、事務仕事をしていると3歳児クラスの
担任が、こんな話を聞かせてくれました。
【黒いチューリップ】
先日、チューリップの球根をクラスで植えた後、
子ども達と一緒に『春になったら、きれいな花をさかせてね!』
と、折り紙でチューリップを作り保育室に飾りました。
チューリップを作る際、子ども達が好きな色の折り紙
を選んでいたところ、
A君が『黒がいい!だってかっこいいんだもん!』
と、言ったのです。
保育士は“チューリップが黒色?”と思い・・・。
すると、A君は『あっ、やっぱり赤にする!』と、言い
赤いチューリップを作りました。
翌日、『おはよー!』と元気に登園して来る子ども達の
中に、黒い折り紙で作った“黒いチューリップ”を持って
いる子がいました(Hちゃん)。
保育士が、『お家で作ってきたの?』と声をかけると
Hちゃんは、『うん!だって、A君黒いチューリップが
良かったんでしょ?だから、A君にプレゼントするの!』
と。
Hちゃんは、前日の先生とのやり取り、黒いチューリップを
自ら諦めたA君の姿を見ていたようです。
幼いながらに、友達の思いを汲み取るHちゃんの優しさにキュン♥
“黒いチューリップ”のプレゼントをもらったA君は、
パァ~っと明るい笑顔を見せ、Hちゃんの贈り物を大事
そうに手にしていました。
「よかったね!Hちゃんからのプレゼント、お家に持って帰る?」
と聞くと、
「ううん。みんなと一緒に飾りたい。」とA君。
お友達のチューリップ達に仲間入りした黒チューリップちゃん。
ルンルンと楽しくお歌を歌って喜んでいるようでしたよ!
『“花=明るい色”という大人の固定観念』
『みんなちがって みんないい』
『世界に一つだけの花』
いろんな思いが廻った、温かい出来事でした✿
12/1 担当:保育士Y